2013年8月12日月曜日

笠間の家


伊東豊雄の初期の作品である笠間の家を見学してきました.
伊東豊雄氏というと日本を代表する建築家の1人ですが、
今までにいくらか作風を変節させてきています.
この住宅は有名な中野本町の家と同時期の作品であり、
最も初期のものと言ってよいでしょう.

テーマは空間の象徴性の獲得といったもので、
篠原一男氏の影響の濃い作品となっています.
この時代には篠原スクールの建築家のみならず、
他にもいろんな建築家がこぞってこのテーマに取り組みました.
流れるようなチューブ状の空間に、
造形的な特異点、光の特異点をつくることによって、
空間に象徴性をつくるというのが伊東氏の手法.
機能とは無関係なギザギザやカーブなど、
今の時代にはあまり見たことのない興味深い作品でした.

さらに中野本町の家との比較で言えば、
都市部と地方という立地の差によるものでしょうか、
自閉的なところがあまりなく、
外部と適度に接続された伸びやかな空間が印象的でした.

まあ、なんというか.
時代を超えたオーラを感じる作品で、見学できて良かったです.

今年の10月より美術館として生まれ変わるそうで、
それまではプレオープン期間として、
純粋に住宅の姿のまま見学することができるようです.








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