2013年9月15日日曜日

3D計測器で測ってみた

時代はどんどん「2次元を経ずに3次元」へとシフトしていますが、
3D足型計測器はスゴいです.
ほんの数分で足型を完璧にキャッチしてくれます.
先日、アシックスのショップで素足の大きさを測ってもらいました.





足長は左が27.66cm、右が27.40cmと左足の方が2.6ミリも大きいですね.
これは私の日頃の実感と一致しています.
しかし、これまで私は実測値でだいたい27cm程度だと思っていたので、
自分の想像より5ミリくらい大きめだということが分かりました.

自分が思っているより実測値が小さめの人が多いらしいので、
ふつうとは逆の思い違いになるのでしょうか.
体が大きいとどうしてもサイズが無くて、
小さめを無理に履いてしまうということもあったからかもしれません.

足囲はJISの3E、これはUKだとEくらいなので、ほぼ実感値と一致.
そして、かかと幅が標準より小さいこともハッキリしました.
実際、自分でもかかとが小さいなあとは感じていて、
欧米のかかとが大きめの靴などは脱げやすく、
ゆえにスニーカー以外の革靴が、ほとんどブーツになってしまっています.

全体的に左足のほうが大きいのに、甲は右のほうが高いのも面白い.
これは今まで感じたことがなかったなあ.

私は今までスニーカーは28.0、US10、EU44
革靴はUK9あたりのサイズを履くことが多かったのですが、
捨て寸を考慮するとスニーカーは28.5でも良さそうですね.

納得と新たな発見の連続で、すごく面白い機会でした.
もうすぐ健康診断でも全身を3Dで測定する時代が来そうですね.


2013年9月5日木曜日

ボトルをいろいろ探してみた

夏場は外へ出かけると、ついつい缶ジュースを買ってしまいますが、
健康的ではない上、全く経済的でもありません.
やはり水筒にお茶や紅茶を入れて、家から持ち出したい.
そんなことを考え始めて早2週間.ついに水筒を購入しました.

金属製の水筒を出しているメーカーは何社くらいあると思いますか?

SIGG http://www.sigg-jp.com/
LAKEN http://www.iwatani-primus.co.jp/products/laken/
STANLEY http://www.stanley-pmi.com/

あたりの洋物の老舗のほか、国産でも

THERMOS http://www.thermos.jp/
象印 http://www.zojirushi.co.jp/syohin/06outdoors/01list.html
Tiger http://www.tiger.jp/products/bottle/

の御三家(?).

無印良品 http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4934761441306?searchno=19
SUS gallary http://item.rakuten.co.jp/cocoa/kitchen_tsutsu-200/
Klean Kanteen http://www.kleankanteen.com/japan/
G2V http://www.ideaport.co.jp/g2v/

などの新興系を含めて、ラインナップは幅広いです.

スイスのSIGGなどはアルミ製ボトルで有名ですが、
アルミニウムは軽い分、強度はステンレスに劣りますし、
質感もステンレスの方が好みなので、
保冷・保温性能のあるステンレス製に絞りました.

今回、気になったのはKlean Kanteen、象印、LAKENの3社です.
Klean Kanteenはルックスが圧倒的にカワイイ系.





















これ、アメリカの昔の牛乳缶をデザインモチーフにしてるのかな?
東京メトロ銀座線の1000系とかもそうですが、
http://www.tokyometro.jp/series1000/
むかしのデザインを現代的にリファインしてレトロ感を出すというのは、
あまりに安直で個人的には好きではありません.
それでもカワイイ度が上回り、これは良いなと思いました.

しかしこの製品、保冷・保温タイプじゃないのですね.
この時点で泣く泣くパス.

Klean Kanteenの保冷・保温ボトルはコレ.




















質感を含め悪いところは特にないのですが、ちょっと値段が高い…
そこで象印とLAKENが浮上.



象印の実売価格はKlean Kanteenの半額とお手頃だし、
性能面だけを見ると、他の追随を許さないレベルのようですが、
それがゆえに構造が複雑なのと、ステン素地のものは小さいサイズしかなく、
ここで脱落しました.

そしてLAKENですが、個人的にロゴはKlean Kanteenのほうが好きです.
しかし何と言っても、一体化されたモノコックボディーが美しい.
Klean Kanteenの方は底部のみ鏡面仕上げの別パーツであり、
むろん中空二重構造にするため、加工性を考えた合理的なデザインなのでしょうが、
そこで敢えて一手間掛けてパーツ減らしているLAKENを評価しました.
そしてKlean Kanteenより値段が安く、容量が大きいというのもポイントです.
蓋の取っ手が斜めになっていてダサいという弱点はあるものの、
今回はLAKENを無事に購入.

これからお茶を持って歩くのが楽しみです.


2013年8月12日月曜日

笠間の家


伊東豊雄の初期の作品である笠間の家を見学してきました.
伊東豊雄氏というと日本を代表する建築家の1人ですが、
今までにいくらか作風を変節させてきています.
この住宅は有名な中野本町の家と同時期の作品であり、
最も初期のものと言ってよいでしょう.

テーマは空間の象徴性の獲得といったもので、
篠原一男氏の影響の濃い作品となっています.
この時代には篠原スクールの建築家のみならず、
他にもいろんな建築家がこぞってこのテーマに取り組みました.
流れるようなチューブ状の空間に、
造形的な特異点、光の特異点をつくることによって、
空間に象徴性をつくるというのが伊東氏の手法.
機能とは無関係なギザギザやカーブなど、
今の時代にはあまり見たことのない興味深い作品でした.

さらに中野本町の家との比較で言えば、
都市部と地方という立地の差によるものでしょうか、
自閉的なところがあまりなく、
外部と適度に接続された伸びやかな空間が印象的でした.

まあ、なんというか.
時代を超えたオーラを感じる作品で、見学できて良かったです.

今年の10月より美術館として生まれ変わるそうで、
それまではプレオープン期間として、
純粋に住宅の姿のまま見学することができるようです.








2013年6月28日金曜日

コードレス掃除機

ここ数年の間に、買って大正解だったものの1つに掃除機があります.
それまでは、いわゆるフツーの掃除機を使っていたのですが、
新しくコードレスかつスティック式のものを購入したら、これが便利極まりない.
なんというか、もう人生観が変わるほどの衝撃でした笑.

スウェーデンはElectroluxのErgorapido Plusという製品です.
http://www.electrolux.co.jp/Products/掃除機/コードレス

掃除機はコードが邪魔だし、本体が重くて鬱陶しい.
あんなもの無いほうが良いに決まっているのに、
なかなかこういう製品がありませんでした.

実家は30年ほど前からElectoluxの掃除機を使っており、
これは私の母が訪問販売に騙されて?買った高価なシロモノだったのですが、
業務用だかなんだか知らないが、とにかく大きくて重くて、
パワーだけは死ぬほどありましたが、とにかく使えない掃除機でした.

とにかく.
30年の技術の進化を感じるには充分な買い物でした.
また、入っていた箱がオシャレ.
日本の家電製品にああいう箱はあり得ないと思う.

軽いし気楽に使えるし、ほんとうにスグレモノ.
そうは言っても、掃除が楽しかったのは最初のうちだけでしたが笑.

買って良かった!!!


2013年6月21日金曜日

サッカーの神

サッカーの王様と言えばペレ、では神と言えば?
マラドーナ?クライフ?

いえいえ、日本にもいました.京都の白峯神宮に…

















蹴鞠の神様です!
サッカー日本代表をはじめ、あらゆる球技のアスリートも訪れるとか.

私も近くに寄ったついでに参拝しました.
しかし私の祈りも空しく?イタリア戦には3-4で敗北してしまいましたね.

ブラジル戦とは打って変わって、自分たちのサッカーを貫いたこともあり、
非常にコレクティブで連動性のあるサッカーでしたね.
実際にピッチを支配していたのはイタリアよりむしろ日本でした.

ところが、そんなコンディションの悪いイタリア代表でしたが、
結局は悪いながらも勝ち切るところはさすがに強豪国.
イタリアは90分のゲームの中で、押すところは押すし、
引くところは引くし、結局は裏でゲームの流れをコントロールできていた.

日本はいつもながら、90分間アクセル全開以外の戦い方ができないのですよね.
やはりそこには点差以上に大きな差があるように思えました.

次のメキシコ戦はゲームの流れをコントロールする戦い方に
チャレンジしてみて欲しいものです.

2013年6月11日火曜日

トキハソース

ソースと言えばコレしかない
特選トキハソース。





















西でポン酢と言えば旭ポンズでしょうが、
東でソースと言えばトキハソース(ホンマか?)。
ちなみに、読み方は「ときわ」でございます。

















北区滝野川にある工場で直売してくれます。
お近くにお越しの際には是非。

西友で買った1個49円の粗挽きミートコロッケに、
この濃厚なウスターソースをかけて食べるのが、
至福のひとときであります。

2013年6月8日土曜日

ストライダ

ストライダがパンクした。
ストライダというのは、この自転車のことです。
















コレ、超絶便利です。5秒で折り畳めます。
僕にとっては、Tシャツを畳むより遥かに簡単。
出先が駅から距離がある場合など、
何気に電車に持ち込んでいます。

ですが、この自転車は見たら分かるように、
ジオメトリが変なんですね。
ほとんど全体重が後輪にかかるような設計です。
で、後輪ばかり異常に擦り減る。

購入後一度、後輪は吊るしのKENDAから、
同じくKENDAのK WESTという高圧タイヤに替えたんです。
その時もパンクしたから。

で、今回またまたパンク。
今回は前輪も結構減ってたのと、ヒビ割れしてたので、
前後輪ともに交換。
KENDAばかりじゃ面白くないので、
ドイツのSCHWALBEのタイヤにしてみた。
















で、こんな感じ。よく見ないと分からないけど、
サイドに白のリフレクターがついています。

ついでにサドルも交換。吊るしのサドルから、
イタリア製のSelle Royalのものに。
全体重をサドルで支える構造のため、
GEL入りのコンフォートサドルを選択。
Selle Royalと言っても分からないかもしれませんが、
fizi:kというブランドネームは誰でも知っているでしょう。

















しかし、乗り心地はほとんど変わりません(笑)
ま、気分一新。また目一杯働いてもらいますよ。

2013年5月13日月曜日

なんじゃもんじゃカフェへ行ってみた

以前から気になっていた、横浜のなんじゃもんじゃカフェに行ってきました。
http://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140101/14049490/
木の上に秘密基地風につくる東屋を「ツリーハウス」と言いますが、
そのツリーハウスがカフェになっています。





















まず、そのロケーションの良さに驚きました。
横浜とはいっても海が見えるような場所ではなく、普通の住宅街ですが、
大木が急傾斜地に生えていて開放感満点です。

そして、母屋がその傾斜を活かしながら段々につくられており、
その屋上をテラスとして利用するなど、
とても立体的で楽しい空間になっていました。





















やっぱり傾斜地は「傾いている」という一点だけで、
とても楽しい建築がつくれますね。
どのようにつくっても、シークエンスや視線の回遊性に、
変化ができて立体感にあふれたものになります。

そして「ツリーハウス」。
実は私もツリーハウスの設計を相談されたことがあります。
結局、実現しなかったのですが、その時いろいろ調べているうちに、
どんどんハマっていったのでした・・・

こういうのって、みんな子供の頃に空想したことあるんじゃないですか?
私もツリーハウスをつくりたくなってきました。
実家の庭につくるとすると、
木を植えるところから始めなくてはなりませんから、
生きている間には無理ですね。

誰か庭に大きな木が生えている人、いませんかー(笑)?

2013年4月14日日曜日

美しい経年変化とは

靴もそうですが、私は革小物が大好きです。
例えばこの名刺入れ。
最初の大学を卒業し、就職したときに妹から貰いました。
なぜかお返しにヴィトンの財布を買わされましたが汗。

なにはともあれ、使い始めてかれこれ20年近くなります。





















中はこんなに色が違います。





















もともとは、タンカラーというのでしょうか。
素地のベージュ色だったのですが、
長い年月を経て、いい具合に変化してきました。
外のほうが手に触れるので、より濃い色になってますね。

この手帳。
これも、20年近い付き合いになります。
ずいぶん使い込んで、いい色合いになりました。





















他に自転車のサドルも革製のものを使っています。

革は最初は硬くて使いにくいのですが、年月を経ると、
自分の手や足、お尻などに馴染んできます。
そうすると、もはや空気のように手放せない存在になります。
もちろんそのためには、メンテナンスが欠かせないのですが…

世界に1つ、自分だけのプロダクトに経年変化する。
それが革製品の最大の魅力です。

建築も同じです。
斬新さが売りの一瞬で消費されるようなものではなく、
時間とともに使い手に馴染んでいくような、
そんな建築が理想ですね。

いわゆる建築家に住宅の設計を依頼されるような方には、
木の外壁などは非常に強くアピールするようなのですが、
実際にはメンテナンスも大変なのです。
しかし、それを乗り越えてチャレンジしたい方、
是非お待ちしております笑。

2013年4月8日月曜日

革靴の水洗いをしてみた

このチャッカブーツは履き始めてもう10年以上になります。
ふつうのシュッとしたチャッカブーツとは違って、
全体的に丸っこく、革のダブルソールでコバが張り出しており、
カントリーの要素を取り入れたカジュアルさがお気に入りです。





















このようなディテールをもつ靴はアメリカのものに多いのですが、
これは英国のシューメイカー。ただし製造はスペインだった気がします。

踵と爪先を一度づつ補修し、大切に履いてきましたが、
向かって左側(右足)に細かい皺が多くあまり見栄えが良くないので、
初めて水洗いに挑戦してみました。

使用したのはモゥブレイのサドルソープ。
まずステインリムーバーを使って汚れをさっと落とし、
スポンジにたっぷり水を含ませ、革を濡らしていきます。
その後サドルソープを泡立て、泡で靴を洗います。






















最後は泡を布で拭き取ってから、
シューツリーを入れて充分に皺を伸ばしながら自然乾燥します。

結果…靴はキレイになりましたが、皺は若干マシになった程度。
最後にデリケートクリームを塗ってブラッシング。





















醜い皺ができる理由としては、
サイズが合っていない(靴が大き過ぎる)などがありますが、
この靴に関しては左右で革質がかなり違う
ことが原因ではないかと思います。
左足の甲の革は肌理が細かいのですが、
右足のほうは荒いのですよねぇ。
まあ、値段を考えたら仕方ないと思いますが…

2013年2月14日木曜日

私のモールトン

自転車の話が出たところで(出したところで笑)、私の自転車を自慢させてください。アレックス・モールトンには、博士のお城(通称ザ・ホール)で、職人の手作りによって生産される「お城製」と言われる高級ラインと、イギリスのパシュレーというメーカーが生産しているセカンドラインの2種類が存在します。私のモールトンは後者の廉価版です。そうは言ってもトラス構造を採用したフレームは、溶接箇所が通常の自転車の何倍にもなるため、それなりに高価になってしまいます。ちなみに、お城製だと安くても100万近くしてしまいますので、手が出ませんでした(汗)。

フレームは無塗装のものに指定色で焼付塗装してもらいました。ローバーのアーモンド・グリーン同色にしたかったため、都内の中古ローバーを取り扱っている店を探し、日本塗料工業会のサンプルを持ち込んで色合わせをしました。欧州スタンダードと日本のスタンダードが違うため、完全な同一色には成りませんでしたが、かなり近い色になったと思います。

前輪を支えるチューブをフォーク、その上部のチューブをヘッドチューブと言い、ヘッドチューブとハンドルをつなぐパーツを「ステム」と言います。現在、ステムの主流はアヘッドステムと言って、垂直な部材と水平な部材を別パーツとし、剛性やメンテナンス性を高めたものとなっています。しかし、私はそれら部材を一体化した旧来のスレッドステムに拘り、ヘッドチューブにネジを切る加工をしてもらいました。スレッドステムは日本が誇る日東のアルミ削り出し。こういう部材を作らせたら、その精度と美しさで日本製はピカイチです。

そして駆動系のパーツのほとんどを、シマノのアルテグラという軽量なグレードのものを選択しましたが、クランク(=ペダルとフロントギアをつなぐ部材)だけはなぜかイタリア・カンパニョーロ社製のアテナというデッドストック部品に。当時のシマノのデザインが許せなかったのです。合わせて、フロントギアもカンパニョーロになってしまいました。駆動系部品の噛み合わせはデリケートなので、複数のメーカーの製品を混在させることは割と少ないのですが、これがいわゆる「シマニョーロ」ってやつです… 

また、ホイールのリム(=タイヤを固定するための円形の部材)ですが、近年ディープリムと言って、断面形状がV字形の空気抵抗が少ないものが流行しているのですが、私は軽さを優先して断面形状が四角い一昔前のものを選び、スポークも手で組んでもらいました。効果は絶大で非常に軽いのですが、登り坂を走らないのであれば、あまり意味はないかもしれません(汗)。

タイヤはロードレーサーにも匹敵すると言われる(?)走行感を持ち、サイドが飴色のデザインが特徴のコンチネンタル社のグランプリで、大変気に入っているのですが、実はこのタイヤは既に廃盤になっており、私の家にはあと数本の買い置きがありますが、いずれ違うものに換えなければなりません。(ちなみに自動車のタイヤで圧倒的な存在感を放つブリヂストンは、自転車ではなぜかフレームメーカーで、タイヤはつくっていないのが不思議ですね…)

以上の結果として、私のモールトンは非常にクラシカルでシンプルな自転車になったように思います。

このような作り方をしているものですから、ちょっと目を離すと自転車屋さんが勝手にパーツを変更しようとしたり、なかなか現場監理(笑)が大変でした。本当に建築を作るのと似ているなあと実感しました。自然と、私が付き合う自転車屋さんは、普通の自転車屋が一生に一度外すかどうかという部品を、一日に3回くらい外しているようなマニアックなとこばかりになってしまいます。

このように、フレームを単体で購入し、パーツをそれぞれ選択しながら全体を組み立てるのが、自転車の真の醍醐味だと思いますが、これを「面白そう!」と思った方は、たぶん建築家と家を建てるのに向いています(笑)。「面倒だな…」と引いてしまった方は、建売住宅や売建住宅を買うのに向いていると思います(笑)。


















SPEC 
フレーム      Pashley TSR 分割(指定色塗装
ヘッドパーツ  Shimano Dura-Ace 
リム      Velocity Twin Hollow 
スポーク      Asahi #14 
ハブ      Shimano Ultegra 
クランクセット Campagnolo Athena(175mm) 
チェーンリング Campagnolo Record 53-39T 
カセットスプロケット Shimano Ultegra 
リヤディレイラー   Shimano Ultegra 
フロントディレイラー Shimano Ultegra 
シフター      Shimano SL-R770 
チェーン    Shimano Ultegra 
ブレーキキャリパー  Shimano BR-650 
ハンドルバー  Nitto B2520AA 26 
ステム     Nitto NTC-DX(130mm) 
ペダル         MKS Promnade-Ezy 
サドル         SelleSanMarco Regal 
タイヤ         Continental GranPrix 20x1-1/8(406)
チューブ    Panaracer R-AIR
グリップ    Herrmans ZEGLO LEATHER

2013年2月10日日曜日

デザインとは何か


昨年末、アレックス・モールトン博士が逝去されました。
博士が開発した独創的な小径車「アレックス・モールトン」は、私もオーナーの1人であり、とても残念に思います。

ところで、私が非常勤講師として教えていた学校で、1年生の最初に「私の自慢の一品」という課題を行なっていました。学生が自分の所有する物のなかから、「デザインとして優れていると思うもの」を学校に持ち寄り、その良さをプレゼンテーションするという課題でした。

毎年、自転車を選んでその良さをプレゼンテーションする、自転車好きな学生が1人はいるのですが、内容を聞いても、全くその自転車の魅力が伝わってきません。この自転車はスピードが出るんだとか、乗り心地がいいんだとか、色が珍しいんだとか、いろいろと話すのですが、それを達成するために、デザインがどのように工夫されているのかという話がありません。まあ1年生ですから当然です。

アレックス・モールトンを例にとってお話ししましょう。自転車は大きく分けて軽快車(通称ママチャリ)と、スポーツ自転車の2種類に分けることができます。アレックス・モールトンは後者のスポーツ自転車に分類されます。それでは、ママチャリとスポーツ自転車は何が違うのでしょうか。ママチャリの主な目的は、とにかく頑丈で荒っぽい扱いにも耐えられること、少々運動神経の悪い人でも安全に乗れることであって、目的地まで速く到達するということは、全く重視されていません。一方、スポーツ自転車はそれとは正反対で、華奢で繊細でも仕方がないが、目的地までとにかく速く到達できるということが最優先です。

このような目的の違いが、どのようにデザインされているかというと、ママチャリは自転車に乗ったときに、上体が地面に対して垂直になるようなフレームの形をしています。このジオメトリは視認性を大きく向上させますが、自分の体重が「おしり」の一点に集中し、短時間の乗車でないとすぐに痛くなってしまいます。また、人の脚力を自転車の推進力に変換する際のロスが大きく、スピードがあまり出ません。

一方、スポーツ自転車は、自分の体重を「おしり・手・足」の3点でバランスよく支えるようなフレームの形をしています。このジオメトリは前傾姿勢となり、人の脚力を自転車の推進力に変換しやすくスピードが出るうえ、荷重が分散するため長時間乗っても疲れにくくなります。しかし、自転車の重量を軽くしてあるため、耐久性や安全性はママチャリに一歩譲ります。

それでは、スポーツ自転車のなかでも、特にアレックス・モールトンはどのような特徴を持っているのでしょうか。まず小さい車輪。スポーツ自転車というと27インチの大きな車輪を持つことが一般的です。なぜかと言うと、一旦回転し始めたものは、直径が大きいほど止まりにくいのです。これを「ジャイロ効果」と言います。したがって長距離高速走行時に安定するのは、大きな車輪のほうです。では、小さな車輪のメリットは何か。それは「漕ぎ出しが軽い」ということです。モーメントは車輪の半径に比例するからです。市街地など信号が多く、ストップ・アンド・ゴーが余儀なくされる場所では、これは大きな利点です。どちらが優れているとかではなく、この違いは自転車の目的の違いからくるものです。

小さい車輪にもデメリットはあります。振動に弱いことです。大きい車輪では、車輪じたいが撓むことで吸収できるような、ちょっとした路面からの影響を、小さい車輪だとモロに受けてしまうのです。それをクリアするために、アレックス・モールトンには、前後にサスペンションがついています。実はモールトン博士はローバー・ミニのサスペンションを開発した経歴の持ち主で、この自転車の乗り心地(=シルキー・ライドと言われます)も、サスペンションがキモなのです。

また、自転車の重量を軽くしつつ、剛性や耐久性を担保するために、トラスのフレームを採用しています。トラスというのは、3角形の集合体として全体を構成することで、一つ一つの部材を細くしても、全体としての剛性を確保できる構造のことです。そして、自転車の安定性を得るために、ホイールベース(前後の車輪の間隔)は通常の27インチの自転車と同じだけとってあります。

このように、「デザイン」(=日本語では「設計」と訳されます)というのは極めて合理的で合目的的なものなのです。

2013年2月9日土曜日

なぜ設計に時間がかかるのか


前回までに「建築」に対する私の考え方をご紹介しました。今回のエントリーでは、実際に私がどのようなプロセスで、このように矛盾に満ちた「建築」を設計しているのかをご紹介したいと思います。

建築家・建築士によって、設計のプロセスは様々です。100人いれば100通りのプロセスがあると言ってもよいでしょう。私のやり方も、学生時代、修行時代、そして独立してからを通して、自分で編み出してきたもので、全く同じやり方をする人は、他にはいないことをご了承いただきたいと思います。

私はまず敷地の条件、法規、クライアントの要望などを整理しながら、「ごくごく普通の間取りをつくる」ことから始めます。これは、いわゆるハウスメーカーやパワービルダーがつくる家とほとんど変わらない。まずこのような案をつくることで、全体のヴォリューム感(大きさやたたずまい)、法規をクリアする難易度、そしてクライアントの要望についての実現可能性などをつかむことが目的です。だいたい、このような案をつくるのは2日から3日くらいでできます。ふつうはこの案をたたき台として、詳細をつめていけば建築設計は終了となります。

しかし、わたしたちにとって、ここまでは準備体操。ここからやっと本格的な設計がスタートします。このままでは感動がない。では、この案をどのように展開すれば感動が得られるのか。そこで、やみくもにいろいろな案を考えてみます。実現しそうな案から実現不可能と思われる案まで様々に。そして、大量にできあがった案を、今度は自分で類型化(=パターン分け)してみます。類型化することで、何を考えていたか(=コンセプト)、良いところ、悪いところ等が浮き彫りになってきます。

こうして得られた類型のなかで、可能性がありそうなものについて、さらにそれを展開するかたちで、またやみくもに案を考えてみます。そして、またできあがった複数の案を類型化し、そのプロセスのなかで可能性を探っていきます。このように、「複数の案を考える→類型化→絞り込み」を気の済むまで(笑)繰り返して着地点を見つけることが、私にとっての設計行為です。

ここでいう「可能性」というものが前回までにお話しした、建築そのものに内包される批評性と考えていただいてよいと思います。ここで私が強調したいのは、コンセプトや自律的なテーマが最初にあるのではなく、あくまでも他律的な条件から出発して、それを展開していくなかでコンセプトは「発見される」ものだということです。

直感的でインスピレーションが必要なプロセスと、分析的で論理的なプロセスが交互に繰り返されることで、形態もコンセプトも磨かれていくことがお分かりいただけると思います。実際には、こんなに線形なものではなく、行ったり来たり、ジャンプしたりともっと複雑な思考回路を辿ることが多いのですが(汗)。

いずれにせよ、こんなことを繰り返していく訳ですから、基本設計に最短でも3ヶ月は必要ですし、1週間で設計しろと言われても「深みのある」ものをつくるのは難しいです。また、設計に時間を掛けたいもう1つの理由としては、お施主様自身が決断するのに時間が必要だということもあります。

わたしたちは当然、当初のお施主様の希望やイメージを「超える」ものをつくろうと思って、上記のように手間隙をかけているわけですから、出てきたものはお施主様からすると、ほとんど想像してなかったものになっているはずです。そうすると、それが良いのか悪いのか、お施主様が判断するだけでも、どうしても時間が掛かってしまうのです。やはり設計期間に充分な余裕がないと、コミュニケーションさえままならないという訳です。

2013年1月30日水曜日

建築の2面性について


用・強・美という言葉があります。これは古代ローマ時代の建築家、ウィトルウィウスが著した世界最古の建築書の中に書かれている言葉で、用とは機能を、強とは性能を、美とは美しさを、それぞれ表しています。建築物が成立するためには、この3つの要素が必要だと言うわけです。

前回、建築には自律性と批評性が必要だというお話をしました。これは、用・強・美でいうと、「美」に相当します。

一方、「用」や「強」に相当する、機能や性能も当然ながらとても大切です。これらは、建築自らの内にあるのではなく、敷地条件や周辺環境、施主の要望や好み、法規、コストなどといった建築外部の条件によるものですから、これらを満たすことを建築の「他律性」と呼ぶことができるでしょう。

先日、NHKの番組のなかで建築家の西沢立衛氏が興味深い発言をされていました。曰く、「建築というものは時代を反映したものでなければならない。しかしその一方で、時代を超越したものでもなければならない。もともとそのような矛盾を抱えているのだ。」
これを聞いて、私は次のように考えました。

時代を反映するとはどういうことでしょうか。思うに、それは建築のもつ他律的な部分を指しています。機能や性能というものは、その場その時に合わせてどんどん変化し、社会を写す鏡となるものです。

それでは、時代を超越するとはどういうことでしょうか。思うに、それは建築のもつ自律的な部分を指しています。美しさというのは、永遠普遍の原理があり、それは変わらぬものだというわけです。

したがって、良い建築というのは、建築の自律的な部分と他律的な部分が、高次元で融合しているものだと言えるでしょう。建築の自律的な部分は人々に幸福を与えます。他律的な部分は人々の不幸を減らします。その双方が必要であることは言うまでもありません。

2013年1月8日火曜日

サイドゴア・ブーツ

普段、革靴を履くことのない職業についているせいか、私は革靴(ドレスシューズ)をあまり持っていません。冠婚葬祭時に必要な、黒のストレート・チップと、カジュアルな茶のチャッカ・ブーツの2足のみです。

今回、サイドゴア・ブーツを購入することを思い立ち、いろいろと探し廻りました。

サイドゴア・ブーツはチェルシー・ブーツとも言われ、カジュアルからフォーマルまで幅広く使えるスグレモノです。古くはビートルズやモッズ・ファッションにも取り入れられました。私は昔からこのデザインが大好きで、今回購入したのは2足目です。

靴は上を見たらキリがないので、コストとの兼ね合いも考えて、3万円台を狙うことにしました。

候補は
■ロイド・フットウェア
■アルフレッド・サージェント
の2つです。

ロイド・フットウェアは日本のブランドですが、英国のシューメーカーに別注して生産されているため、日本人の足にあった靴を英国のクオリティで手にいれることができます。ロイド・フットウェアの3万円台のモデルは、ソールこそダイナイトソールというゴム製のものですが、アッパーはこの価格でもカーフが使用されています。

アルフレッド・サージェントは英国のブランドで、ラルフ・ローレン等のOEMも手掛けています。アルフレッド・サージェントの3万円台のモデルは、革のソールを使用しているものの、アッパーはポリッシュド・レザー(ガラス革)という、表面を塗装したもので、カーフより随分落ちるものでした。

こうなると、革底にこだわりの無い私としては、ロイド・フット・ウェアで決まりのようですが、たまたまサイズが無く、結局アルフレッド・サージェントを購入してしまいました。

しかし、ポリッシュド・レザーは固い上に、シュー・クリームが浸透せず、やはり質感に随分欠けますので、ちょっと後悔しています・・・とりあえず履き潰して、次はもうちょっと良いのを買います(笑)。



謹賀新年

皆様、明けましておめでとうございます。
本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

林順孝